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背景の記憶(98)

♪悩み続けた日々が
 まるで嘘のように
 忘れられる時が来るまで
 心を閉じたまま
 生きて行こう
 遠くで汽笛を聞きながら
 何もいいことがなかったこの街で

 俺を見捨てた人を
 恨んで生きるより
 幼い心に秘めたむなしい
 涙の捨て場所
 さがしてみたい
 遠くで汽笛を聞きながら
 何もいいことがなかったこの街で

 せめて一夜の夢と
 泣いて泣き明かして
 自分の言葉に嘘はつくまい
 ひとを裏切るまい
 生きて行きたい
 遠くで汽笛を聞きながら
 何もいいことがなかったこの街で

            アリス (遠くで汽笛を聞きながら)

posted by わたなべあきお | - | -

背景の記憶(96)

そのラインに戻った

あなたが

取り戻したものは何ですか?

失ったものは何ですか?

僕は・・・

23.10.12静寂.jpg

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背景の記憶(95)

僕の練った作戦は
あまりに見え透いていて
きみにはばれていたにちがいない


バイトを終えた帰り道
僕は傘をささずに雨の歩道を歩いていた
ゆっくり
ゆっくり・・・と(わざと)


背後に駆け足の靴音
スッとさしかけられた赤い傘に
僕は驚きの表情をして見せた
きみの瞳が笑っていた
無言で並んで歩く間
こころを見透かされたようで
恥ずかしかった



23.10.4.png

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背景の記憶(94)

うしろに束ねた髪をほどいたら
しなやかな黒髪が
さらりと肩に広がった
きみが急に大人びて見えて
僕はなぜかうつむいてしまった

きりりとしまった働き顔から
解放された自分への
きみの鮮やかな変身に
僕は映画の一コマでも見るように
その場で身動きできなかった

23.10.3秋の空.jpg

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背景の記憶(93)

あなたの寂しそうな笑顔に
会いたくはなかった
どんなに言葉ではしゃいでも
潤んだ瞳を見放せない
湧き出でるなみだの泉を
笑いの噴水に替えようか

僕のへたな作り笑顔に
君は気付いていたんだろう
似た者同士の鏡には
みんな正直に映ってしまう
声を出して笑ったあの日
いつか一緒に戻れるかな

ドアをたたく勇気がなくて
暗い夜道は涙に濡れた
振り向いた部屋の灯りは
手招きするように小さく揺れた
くわえたショートホープの煙が
まぎれない悲しい涙を誘った23.10.3.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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