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不器用

携帯の発信ボタンを押して、内ポケットに忍ばせ

僕は舞台に上がって、マイクを握った

君は不器用な僕の作戦に気付いただろうか?

選んだ曲の歌詞が貴女への僕の心を代弁していた

眼を閉じて唄う僕の姿を

多くの聴衆はどんな思いで見ていたのだろう?

聴いていたのだろう?

こんな告白を思いついて、断行している自分が

どこか他の人のように感じられた


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posted by わたなべあきお | - | -

風鈴

猛暑と言うよりは、酷暑と言うべきで

猛烈な暑さが列島を襲う

外で木陰を求めても

涼しさは得られず

ひたすら家に籠って

エアコンのお世話になる

昔なら家の戸を開け放っておけば

それなりの凉が得られたのに…

これもまた文明の利器の裏返しか?

故郷の島の高台

陽光に煌めく港湾を眺めながら

縁側で涼風を受ける風鈴のささやき

今となれば、なんと自然で贅沢な夏だったことか


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心眼

極論すれば

人の心は、正邪の闘いである

その闘いには

加勢する奴も居れば

足を引っ張る奴も居る

昨日の敵は今日の友も必然のこと

一寸先は闇の世の中で

きみは、どんな灯りを見出だすのか

心眼をカッと見開きたまえ
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敵

正しいことを貫き通そうとすれば

必然的に反対者や障害が立ちはだかる

それは国家的なレベルでも

家庭的な小レベルでも同じだ

如何にして50以上に持って行くか

あるいは相手を押しやるか

物的でなく心理的闘争になれば尚更だ

ゼロか100なら、まだ事は簡単かも知れない

そうは単純なものでないところが

この浮世の妙というものだ

敵は眼前にあり、隣に潜んでいる



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青春の一ページ

賑やかな街中の一角の大学の裏側に

小さな子供向けの公園があった

クラブ後のほんの10分間

僕たちはそこで話をするのが常だつた

微妙な明るさ…暗さ…

その雰囲気が好きだつた

指と指を絡めあうだけ…

掌に字にならない字をなぞる

「なに?」の想いで目を見ると

声に出さないで「好き」と唇が動いた

それから先の先なんて考えられない

おぼこい青春の一ページ

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愛のたわむれ

クラブの帰り道

僕はちょっとしたイタズラを思いついた

いつもは二人ならんで帰るのだが

先に出た僕は角を曲がった所で、マンションの陰に隠れた

自転車の彼女はいつもの僕がいないので

なんと猛烈な勢いで自転車をこぎ始めた

僕はそのスピードにびっくりして

次の交差点で車にでもぶつかったら大変と

走って彼女を追い始めた

彼女は大通りの手前で自転車を止めて

しきりに左右を確認していた

安心した僕は、忍び足で彼女に近づき

肩をポンと叩いた

振り向いた彼女の顔は

安心とちょっと怒ったような

複雑な表情て僕を睨み付けた

そして「もぉ~!」と言いながら

僕のおでこをつついた

謝りのつもりで、僕は彼女の自転車を押して

別れの曲がり角までゆっくり歩いた

彼女の想いの確信が、僕の胸の中で踊った

わずか数分間の愛のたわむれ 
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苦労を楽しむ

『人事を尽くして、天命を待つ』

何もしなくて、ただ天の助けを乞うようでは、虫のいい話だ。

可能な限り最善を尽くそう。

まさしく『金は天下の回り持ち』

現実の事象の中に、多くの天意を感じる。

殊更、この境遇に於いては。

「苦労を楽しむ」

あの青春時代の再来と受け止めよう。

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心の滑空 

ひとの心を見つめ続ける…

好きな誰かを想い続ける…

暗黙の境界線が暴走を制御する
 
憧れ 思慕 慈愛…

ことば表現は何であれ

ひとの心は制御できない

逢えない時間が愛 育てるのさ…

目を瞑れば 君がいる…

がんじがらめの世評を避けて

心は大空を滑空する

此処なら誰にも邪魔されないさ

此処なら自由に語り合えるさ

やはり、僕の持論のテレパシーの世界が浮き上がる

素晴らしきかな 心の滑空
 


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青春の曲がり角

高校三年生の一学期

図らずも僕はあなたと同じクラスになった

落ち武者的存在の僕を

あなたはどんな心で観ていたのだろうか?

言葉を交わすこともなく・・・

過去った一年間

卒業式後の教室で、後方に並ぶ保護者の中に

若い女性が居たことを

あなたはどう受け止めていたのだろうか?


青春の曲がり角



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中学三年生の夏

あなたはバスケ部のキャプテン

ポイントガードとしての

鮮やかなパス回し

溌溂としたプレーが眩しかった


僕は補欠

敗色濃厚の試合の中

唯一出場チャンスが訪れた

左45度から切り込んでのランニングシュート

一瞬静寂を感じた中で

あなたの「ナイ(ス)シュー(ト)!」

の声が体育館に響き渡った


中学三年生の夏

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