「あなたは、いつもどこか遠くを見ている。」
そんな意識は欠片もないんだけど、あなたはそう言って寂しそうな顔をした。
あなたの存在が当たり前になっていて、その空気のような存在のかけがえのなさ
が、僕には掴み切れなくて、気が付いたら繋いでいたはずの手は振りほどかれてい
た。今にして思えば、僕の見ていた<遠く>とは、<亡き母>であって、でもそれ
はあなたにしてみれば、他の女性と映ったのかもしれない。そしてそれはあなたに
とっては、確かに自分以外の他の誰かであって、自分に僕の心の全部が向けられて
いないと映ったのでしょうね。そんな存在の母にさよならをして、貴女の胸に飛び
混んでいたなら・・・

株価に象徴されるように、世の中はあたかも絶好調のように思われてもいるが、
しかし、その実体は必ずしもそうとは言い切れない。
コロナ禍明けのにわか景気に湧いている人もいるだろうが、
世間の実体はかなり厳しく暗い。
格差社会と言ってしまえばそれまでのことだが。
底辺に生きている僕からすれば、厳しく辛い日常だ。
社会の振りかざす刃は、恐ろしく冷たい。
真剣白刃取りを伝授して欲しいくらいだ。
ニュースでは自殺者の数を報じている。
何年も前からの話だが、自殺者の数が、交通事故での死亡者数の三倍というのには
驚かされる。為政者はどう受け止めどうしようとしているのだろうか。
黒い渦に飲み込まれるような現実。海の藻屑と化すか弱き生命体。
歌の文句しゃないけれど…
♪ああ…死にはしないわ…
♪一人でも 一人でも 死にはしないわ…
浮かんでくる歌が、なんとも物悲しいではないか
