寂しそうなふりをしていれば
「どうしたの?」
から元気を出して明るくしても
「何かあったの?」
どっちにしたって
「大丈夫?話しなさいよ!」
なにもかもお見通し
気を引く演技は卒業したけど
心の奥底の闇部分は
なかなか隠し通せない
けっこうな演技派のつもりだけど
見透かされている
明かりを灯すのは
黒い宿り木を取っ払うのは
私しかいない!・・・と言うように
銀行様は
過去(実績・資産・担保)重視であり
現在さえも過去の最先端という捉え方だ
未来を語れば
ほぼ全て絵空事と受け止められて
話半分とも聞いてもらえない
そんな彼らに
人を・・・物を・・・事を・・・
見極める鑑識眼があるとは、とても思えないが
過去の苦い経験から
ガードを固め、石橋を叩いて渡る体質は
担当者個人を責めるわけにもいかない
それぐらいわかっているさ
クソ若造が
マニュアルを絶対の刀として振り回し
否応なしに切り捨てる
返す刀で・・・と行きたいところだが
彼らに直積的罪があるわけでもなく
振り上げた腕を
握り拳を
どう収めようかと苦笑いする
はにかむ君がいい
赤らめた頬がいい
拗ねて見せた横顔がいい
光る涙は本物だった
追いかけてきた君がいい
衝突を恐れない自転車に
君の本気を知った
必死に探す君がいい
曲がり角で身を隠した僕を
君は必死に探していた
僕を見つけた時の君がいい
僕の腕を抓る仕草が
ちょっと本気であどけなく可愛かった
忘年会の夜の君がいい
おめかしして別人のようだった
当然のように僕の隣に座ってくれた
電話の向こうの君がいい
携帯をonにして僕は歌った
歌詞に君への想いを重ねて・・・
透きとおる素肌の君がいい
男物のシャツの下に
僕は飛び上がるほど驚かされた
今はもう遠い
そう・・・遠い過去の想い出
でも、昨日のような鮮明さ