僕は、泥濘の坂を必死によじ登っていた。
後ろを見ると、たくさんの人たちが続いていた。
「こりゃぁ・・・<蜘蛛の糸>の坂道版だな」
と僕は思って誰に対してでもなく苦笑いをした。
関所らしき門があって、門番はいず、
シンプルなカード挿入口が待っていた。
しかし・・・何度試みてもカードは入らず
エラーのブザーが鳴り響いた。
後続の人たちも一緒で、誰一人として通過できるものはいなかった。
垣間見える門の先は、ほのかな明るさを帯びていた。
「これは何の門なんだ?」
「あの先には何が待っているんだ?」
そう考えながら引き返そうとしたとき、目が覚めた。
夢か・・・
それにしても暗示的な夢だな・・・
今の僕には、あの先に行く資格がまだないようだ。