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白い月

東方の山の上あたりに

下弦の白い月が

うすぼんやりと浮かんでいる



存在感の希薄さに

自分を重ねてしまうのは

自虐的すぎるでしょうか





目を凝らしてみましょうか

笑う口もとが隠れているかもしれません28.2.18-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

焦らせて

時の流れも

時の重さも

昔の方がはるかに良かったさ

手紙を待つ間のときめき

そして胸の痛み

果たしてそれと同じだろうか

メールの送信に

躊躇する僕がいる

速すぎる返信は

なぜか悦びを半減させる

もうちょっと・・・

焦らせてほしい

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posted by わたなべあきお | - | -

主導権

言わなくてもわかるだろう と思う僕

言葉にしなくちゃ伝わらない と言う君

疑心暗鬼も楽しみのうち と思う僕

見つめ合って確認したい と言う君 

こんな凸凹に 味が生まれる

とは言いながら・・・

詰まる所は 二 対 八

どこまで行っても 主導権は君

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posted by わたなべあきお | - | -

頭でっかち

頭でっかち

頭でっかち

行いが伴わない

口では偉そうなことを言う

実がない

実がない

もっと落ちてみよう

底の底を見てみよう

昨日の空は抜けるように青かった

垣間見せられたような気がしたのです

希望を捨てるなよ・・・と

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posted by わたなべあきお | - | -

CRY CRY CRY

ひとつ山を越えれば
また次の山が迫る

ひとつ谷を渡れば
また次の谷に出くわす

野営のテントは破れて
雨風も凌げない

携帯が震える
確認しなくても分かっているさ

出れば
発する言葉が嘘となる

出なければ
なおのこと罪深くなる

迷路という認識はない
向かう方向は間違っちゃいない

如何せん
障害物が多すぎる

人力でしかも独りで
跳ね除けるには重すぎる

CRY CRY CRY

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置き石

制限時間は三十分

跨線橋の下で待ち合わせ

その瞬間に生きて

明日のことなど考えなかった

そう・・・

考えなかったのは男の僕で

女のきみはリアルに先を思い描いていた

父のお気に入りのきみは

二歩も三歩も前を歩いていた

敷かれたレールがあまりに真っ直ぐすぎて

僕は置き石をしてしまった

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春夏秋冬

春はコバルトブルー
あたたかい陽射しのなかで
きみはあざやかなブルーのシャツを着た
学生服で坊主頭の僕は
そんな色の対比に戸惑った

夏は満天の星空
離れ小島の海岸の小舟で
二人並んで降るような星を見上げた
打ち寄せる波の音に
僕の胸の鼓動は隠されただろうか

秋は紅葉の東福寺
アパートに向かう坂道を
二人腕を組んで靴音を響かせた
歩調を合わせる僕に
きみはわざとずらしていたずらっぽく笑った

冬は震えるような小部屋
たったひとつのブルーの寝袋で
ふたり向い合せに入った
はじめ狭くて冷たい空間が
夢見るような暖炉の光に包まれた

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発火

世間の風が冷たいんじゃなくて

自分の心が冷え切っているから

世間のせいにしてるんだ

こんなときは

掻き立てても掻き立てても

発火の瞬間は訪れない

でも・・・

根気よく粘り強く

続けるしかない

安易な助け舟を願う気はさらさらない

posted by わたなべあきお | - | -

生きるとは

宿命的なものを背負って

生きている奴には

かなわない

かなわない



貧困であれ

差別であれ

何であれ

すべてを全身で受け止めてる奴には

かなわない

かなわない


彼らから

ある種の羨望の眼を向けられる自分が

恥ずかしい

恥ずかしい

何も背負わない気楽さ

その裏返しにある無気力


生きるとは

何だ

posted by わたなべあきお | - | -

負荷

背伸びをしない

無理をしない

ちょっとだけ

自分に負荷を与えよう

現状に安住しないために

ストップは

後退のはじめだから

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posted by わたなべあきお | - | -

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