春はコバルトブルー
あたたかい陽射しのなかで
きみはあざやかなブルーのシャツを着た
学生服で坊主頭の僕は
そんな色の対比に戸惑った
夏は満天の星空
離れ小島の海岸の小舟で
二人並んで降るような星を見上げた
打ち寄せる波の音に
僕の胸の鼓動は隠されただろうか
秋は紅葉の東福寺
アパートに向かう坂道を
二人腕を組んで靴音を響かせた
歩調を合わせる僕に
きみはわざとずらしていたずらっぽく笑った
冬は震えるような小部屋
たったひとつのブルーの寝袋で
ふたり向い合せに入った
はじめ狭くて冷たい空間が
夢見るような暖炉の光に包まれた
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わたなべあきお | - | -