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挫折と再起

 だからルネサンス以後現代にいたるまで、近代、現代の文学の共通した主題の根底は個人と社会との摩擦、相克に他ならない。そして個人としての感性、理念を含めて個人にとって大切な自我は往々他者が形成する社会の規範に制約され抑圧もされる。それはある意味で自我の挫折だが、それで挫けてしまったら人生そのものの敗北で、敗北はしてもそれで絶対に敗北してしまってはならないんだ。


             挫折と再起「男の粋な生き方」 石原慎太郎

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不条理の条理

 そして、船を押し包み有無をいわせず周囲に雷光を走らせる雷雲。辺りに立ちこ

める雷の気配を感じて逆立つ髪の毛と、今は何かの予感に狂ってしまい、いずこを

も指さず一人くるくると回りつづけるコンパス。

 そこでは人間は誰だろうと何もかも捨てて、素にならなければならず、ならざる

を得ない。そうなることで誰しもが、人間なんぞこんなものでしかないのだと気づ

き悟らされる。それは人間の原点への回帰ともいえる。一切の感情を伴わぬ、生き

ていながら死を、予感じゃなしにまさに知覚している瞬間だ。いわば不条理の条理

の体得だな。俺は何ほどのものではありはしないという、ある意味じゃ強烈ともい

える放心の中での存在の現実感覚というやつだ。


            石原慎太郎 「男の粋な生き方」〜自然との交わり〜




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男の粋な生き方

富裕とか貧乏とかいうものはあくまでも相対的なもので、しこたま金を持って

いてもガツガツしてる奴はいるし、貧乏していても悠々としている者もいる。

要は人生への気概の問題だが、どちらかといえば貧乏に慣れている奴の方が

生き方では強いな。つまり貧乏の培う耐性の問題だよ。


         男の粋な生き方  「貧乏の魅力」  石原慎太郎


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HOW

『わが身に降りかかった悲痛事に対して、その何ゆえか(WHY)を問わない。

 それよりも如何に(HOW)対処すべきかが大切』


                    森  信三



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真理


 『真理は現実の只中にあって書物の中にはない。

  書物は真理への索引(インデックス)ないしは栞(しおり)に過ぎない』




                     森  信三





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「単純」と「純粋」とはちがう。

単純とは、分裂以前の意識の無自覚的な単一態であり、

純粋とは、一たん分裂した意識の自覚的な統一態である。

それ故分裂以前の純粋は、嬰児期にはだれしも経験する。

だが、一旦分裂した意識を高次の立場から統一するは容易ではない。

これ単純よりも純粋の貴ばれるゆえんである。

              
                    森  信三



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最後の勝利者

『われわれ人間は「生」をこの世にうけた以上、それぞれ分に応じて、

一つの「心願」を抱き、最後のひと呼吸(いき)までそれを貫きたい

ものです。』



『多少能力は劣っていても、真剣な人間の方が最後の勝利者となるようです。』



                 森 信三

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唯一の道

『他者の後をつけること、自分を他者と置き換えること、互いの人生、情熱、

意志を交換すること、他者の場所と立場に身を置くこと、それは人間が人間

にとってついに一個の目的となりうる、おそらく唯一の道ではないか』



                   (ジャン・ボードリヤール)



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人生の最下段

 不幸の極みが最大の幸福と接している。 


 人はあまりにも同感することには反撥する。 


 人は賞められると大抵駄目になる。そして悪口はいつでも激励である。


 利己心をもつものだけが、不安である。


 あゝそうか、と解ることばかり聞いていても何にもならぬ。どうしても納得のいかぬことにぶつかって、初めて自己の殻が破れる。


 言葉に出して言わないと承知しないひとがある。・・・恥じらう顔、震える唇、目まぜする眼の値打ちを知らない。


 いつも人生の最下段に自己を発見するものにのみ、瑞々しい生命が恵まれる。


                         毎田 周一


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安全弁

『 大人の中にある子供っぽさこそ、

             彼の生の安全弁だ 』



『 くやしいことがあったら、

           命がけのことを探してゆけ 』



『 女の抱き方も知らないで、

         おどおどしている頃がよい 』


             毎田 周一





                 
  熊本県あさぎり町の桜.jpg (熊本県・あさぎり町の桜)

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