A sound mind in a sound body.
〇人間は心身相応的存在ゆえ、性根を確かなものにしようと思えば、
まず体から押さえてかからねばならぬ。意識は瞬時に変転する故
持続性を養うには、どうしても身体から押さえてかかる外ない。
しかも体の中でいちばん動かぬところは、結局胴体であり、しかも
その中心が腰骨である。それ故、二六時中この「腰骨を立てさす」
以外に、主体的な人間をつくるキメ手はない。
森 信三
〇いやしくも、この世に生をうけた以上、それぞれの「分」に応じて一つの
「心願」を抱き、最後のひと呼吸まで、それを貫かねばならぬ。それには、
朝起きてから夜ねるまで、極力「腰骨」を立てつづける。これがわれわれ
人間にとって性根を入れる極秘伝。
〇腰骨を立てるには次の三段階を心して。
第一、尻を思い切り後ろにつき出すこと。
第二、反対に腰骨をウンと前へ突き出す。
第三、下腹に心もち力を入れると肩のキバリがスキッととれる。
そして、二六時中こうしていないと、気分がダラケて気色が悪いと
思うようになればまずまずという処。
「不尽片言」 森 信三 述 寺田清一 筆録