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背景の記憶(266)

 高校時代、精神的に病んでいたころの話。僕はある宗教施設から登校していたのだが、まったく授業に集中できず、徐々に校門をくぐることが億劫になっていった。
 そんな時は、学校の近くにある叔父の家に避難(?)した。叔父叔母はもちろん仕事で留守、祖母が一人でいた。祖母は不登校のことは一言も責めずに迎え入れてくれた。これは救いだった。

 祖母はいつものように「あきお、カルタしょうや」と僕を誘った。花札である。
「手七の場六」と言って始めた。祖母は形勢が悪くなると、いつもイカさまをした。僕にはそれが分かるのだが、そのまま続けて「あ〜、また負けてしまった〜」と下手な演技をした。

 しかし、いま思えば、祖母はいろいろ慮ってそんなフリをしたのではないかと思う。もしあの避難場所がなかったら、僕の人生はどう転んでいたか分からない。30.4.20-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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