<< 2012/10 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

背景の記憶(123)

 家族

冷めた家は存在していたが
温かな家庭は無かった
少なくとも僕が物心ついてからは

数の上では兄弟も居たが
僕は独りだった
奪われた魂が多すぎて
乾き切った抜殻だけが
寂しく部屋に取り残されていた

家の太陽がいなくなれば
明るさなんて
人工的でしかない
蛍光灯よりローソクの方がマシさ
その息遣いを感じられるだけ・・・

母も兄も姉も
闇の世界を浮遊し続けている
いや僕が勝手に
そう位置づけてるだけか
僕の虚ろな眼は
いつも上方45度を向いている

あたかもそこに
望む世界が待っているかのように
眩しくも作り上げた理想郷は
僕だけの到着を待っている

差し伸べる手がないのなら
自分で上って行くしかないさ
曲がりくねった
この長く細い階段を

24.10.16.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

▲page top