折角のサクセスストーリーも
自慢度が過ぎると
共感や感心を通り越して
嫌味に聞こえてしまうものです。
そして残念ながら
その当事者は
そのことに気付いていないのです。
マンションのテレビアンテナの上に
一羽のカラスがとまっている
家のベランダからすぐそこなので
僕は彼女に向かって
「ア〜〜」と呼びかけた
すると彼女はすばやく反応してキョロキョロ
もう一度「ア〜、ア〜」とやると
またしてもキョロキョロ
彼女には何と聞こえたのだろう
いや待てよ
彼女ではなくて彼かも知れないな
ちょっと面白い
こないだは近所の犬に「ワン!」とやっている
いつも吠えられるから先手必勝で
こっちの彼はすかさず「ワン、ワン」と
図太い声で反撃してくる
最近の僕は、人間相手に少々お疲れだから
こんなことをやっているのかもしれない
あらすじもなにもあったもんじゃないが
この「・・憤怒・・・」言葉をふと思い出した。
持って行き場のない憤懣
濡れ衣でもなく
罠でもなく
しかし確実に嵌められている
得体のしれない漠然とした巨悪
何をもって立ち向かおうと言うのか