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愛児夢限

  愛児夢限

バーミリオンに灼けた
地平の一本道を
ちっちゃい頭が
ひとりぼっち
とぼとぼと
消えていったよ


  成 長

身体に備わった
支配力の喜びに
幼児はずんずん
石垣を登っていくのだ



  昼の暗きを

麦秋近く 吾児逝く
 
陽は輝きて 日もすがら

昼の暗きを いかにせむ




  断 章

愛児の死など
忘れさせてしまうような
暑さであった

いずこの日とも思われず
日が照り
蝉が鳴いていた

それなら

一体

誰に

語り明かす

相手が

あるというのか


おもかげを索めてつきず蝉の声


(父・渡部一夫  遺作)  ※姉・成子 八月十一日命日

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駆け引き

馬鹿正直はだめですか

糞真面目はだめですか

ありのままではだめですか

演技をしろと?

作文をしろと?

数字を動かせと?

そんな駆け引きで

社会は成り立ってるんですか

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空のカンバス

青空に交差する飛行機雲

自然の雲に比べれば

まさに超特急便だな

ねぇ〜

僕の想いを

届けてはくれないかい

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一 滴

心のコップを上向きに置こう

下向きでは

何も入ってこないではないか

はじめから拒絶してどうする

受け入れようすべてを

飲み干そう最後の一滴まで

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正邪の闘い

明るい絵を描きなさい

希望の詩を書きなさい

歯を見せて笑ってごらん

大声で叫んでごらん

心はいつも

黒と白のせめぎ合い

グレーゾーンはなしだぜ

鬼と仏の総力戦


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防弾チョッキ

この歳になるとね

何もかも口にすることが

正直だとも

良いことだとも思わないんだよ

黙して語らず

これが被害者ゼロで済む

自分に飛んでくる弾丸は

甘んじて受けるさ

潔くも

恰好よくもないけどね

防弾チョッキなしだよ


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立つ

言葉を立てて意気ってみても

かすかな風にさえ

吹き倒されてしまう

そんなものか

それだけのものか

いや こんなもんじゃなかったよな

もう一度だけ 立て直そう

基礎となるべき心の軟弱さが

何本もの杭を飲み込んで行く

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緑の風

車の通る道からずれて

人や犬との出会いを避けて

細い人道を歩く

向日葵 葡萄 蜜柑 

それぞれの畑を左右に見て

ゆっくりと歩をはこぶ

僕が勝手につけた柿の木坂

その木陰が頂点だ

立ち止まり

緑の風を感じて深呼吸をする

もうすぐかな

蝉やトンボたちに逢えるのは28.7.15-.jpg

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涙 池

不甲斐なさに 涙

意気地なさに 涙

心の中の 涙池

溜めて 溜めて 溜めて

堪え切る

落涙は許さず


浮かぶ小舟に

きみの笑顔を見た気がした



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インサイダー

人柄は必ず見える

言葉に

顔に

雰囲気に


飾ったものは

剥がれ落ちる

借り物はすぐばれる


雄弁でなくても

理路整然としていなくても

自分の言葉で語ることだ

相手の目を直視して


ならば

伝わるものは

必ず相手に伝わる

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