いつになったら、這い上がれるだろうか
若いころのこの疑問は
たとえかすかでも、光を見ていた
今のこの疑問は
あまりにも時が限られていて
絶望に等しい
若いころの無様は
捉えようによっては、かっこよくさえある
年老いた無様は
どうしようもなく哀れだ
転がり続けたあの頃は
尖った自分が、時に愛おしかった
いま同じように転がり続けたなら
奈落の底へと一直線に落ちて行く
唯一の救いは
その落下の速度を
胸に刻み込むことだけだろう
時速百キロを
あたかもスローモーションのように
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わたなべあきお | - | -