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おかあさん

サトーハチローのような

<おかあさん>は書けないよ

羨ましい・・・としか言いようがない

おかあさんがいてくれたら

何もいらない

食べ物も着るものも

物はいらない

温もりと

柔らかさと

頬ずりがあれば

他にはなにもいらない

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posted by わたなべあきお | - | -

確立

己の心を凝視する

出来そうで出来ていない

己の心を分析する

これも同じ

出来そうで出来ていない

あまり自分を責めるなよ

それが逃げることとは違うんだから

それが責任転嫁ではないんだから

幾つになっても

いつまでたっても

確立しない 僕

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倖せ

倖せは一瞬でいい

いつも倖せだったら

それが当たり前になるから

倖せは一瞬でいい

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おかあさん

両手を大きく広げて

迎えるあなた

しゃがみこみ目線を合わせて

抱きしめるあなた

その温もりが

その柔らかさが

僕の記憶にないのはなぜでしょう

おかあさん おかあさん

途切れた残像は

三歳のままだ

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posted by わたなべあきお | - | -

防波堤

僕が、あなたの防波堤になりましょう

僕が、あなたの防風林になりましょう

僕が、あなたの防砂壁になりましょう

お世話になりつくしたあなたへの

せめてもの恩返しです
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posted by わたなべあきお | - | -

斜め45度

仮の自分を生きている

本物の自分は何処へ忘れてきた

何処へしまい込んでしまった

仮の自分がホンモノの人たちと

関わり、話し、表面だけの笑顔をつくる



ホンモノの自分は

斜め45度上の空から見つめている

何も言わない

何もしない

ただじっと見つめているだけ

早く此処へ来いと

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時の悪戯

逢うのがほんのちょっと遅かった

僕はもう自由じゃない

だからすべてを投げ出されても

僕は受け取れない


あのときは知らなかった

きみは14も年下の女学生だった

歳月が流れて

大人としての再会

勢いに押されて僕は後退りした

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お土産話

母が女の厄年で亡くなって

僕はもうその歳の倍以上も生きているんだが

年下とは思えない・・・この感覚は何なんだろう

母も向こうで歳を重ねているということか

そうでないとつじつまが合わないよな

うん、そうに違いない

見守られ続けているんだよな

お土産話が少ないな

愚痴話ばかりでは申し訳ないもんな

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清しい花

笑顔でいれば
まわりも明るくなる
そんな人たちが集まってくる

何にでもくよくよしていたから
まわりも暗くなって
そんな人たちばかりが寄っていた

花を生けよう
清しい花を
しゅっとした花を
凛とした花を

自然と
空を見上げる自分がいた

posted by わたなべあきお | - | -

離婚

ピンポンを押して

返事を待たずにドアを開けた

「ただいま!」

不審げに出てきた君に

いたずら気分でそう言った

「おかえり〜」

意外な答えが返ってきて

僕は驚いた

目元も口も明るくて

鮮やかに乗り越えて切り替えた君に

僕は安心した

女性は強い

posted by わたなべあきお | - | -

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