サトーハチローのような <おかあさん>は書けないよ 羨ましい・・・としか言いようがない おかあさんがいてくれたら 何もいらない 食べ物も着るものも 物はいらない 温もりと 柔らかさと 頬ずりがあれば 他にはなにもいらない
己の心を凝視する 出来そうで出来ていない 己の心を分析する これも同じ 出来そうで出来ていない あまり自分を責めるなよ それが逃げることとは違うんだから それが責任転嫁ではないんだから 幾つになっても いつまでたっても 確立しない 僕
倖せは一瞬でいい いつも倖せだったら それが当たり前になるから 倖せは一瞬でいい
両手を大きく広げて 迎えるあなた しゃがみこみ目線を合わせて 抱きしめるあなた その温もりが その柔らかさが 僕の記憶にないのはなぜでしょう おかあさん おかあさん 途切れた残像は 三歳のままだ
僕が、あなたの防波堤になりましょう 僕が、あなたの防風林になりましょう 僕が、あなたの防砂壁になりましょう お世話になりつくしたあなたへの せめてもの恩返しです
仮の自分を生きている 本物の自分は何処へ忘れてきた 何処へしまい込んでしまった 仮の自分がホンモノの人たちと 関わり、話し、表面だけの笑顔をつくる ホンモノの自分は 斜め45度上の空から見つめている 何も言わない 何もしない ただじっと見つめているだけ 早く此処へ来いと 言ってもくれない
逢うのがほんのちょっと遅かった 僕はもう自由じゃない だからすべてを投げ出されても 僕は受け取れない あのときは知らなかった きみは14も年下の女学生だった 歳月が流れて 大人としての再会 勢いに押されて僕は後退りした
母が女の厄年で亡くなって 僕はもうその歳の倍以上も生きているんだが 年下とは思えない・・・この感覚は何なんだろう 母も向こうで歳を重ねているということか そうでないとつじつまが合わないよな うん、そうに違いない 見守られ続けているんだよな お土産話が少ないな 愚痴話ばかりでは申し訳ないもんな
笑顔でいれば まわりも明るくなる そんな人たちが集まってくる 何にでもくよくよしていたから まわりも暗くなって そんな人たちばかりが寄っていた 花を生けよう 清しい花を しゅっとした花を 凛とした花を 自然と 空を見上げる自分がいた
ピンポンを押して 返事を待たずにドアを開けた 「ただいま!」 不審げに出てきた君に いたずら気分でそう言った 「おかえり〜」 意外な答えが返ってきて 僕は驚いた 目元も口も明るくて 鮮やかに乗り越えて切り替えた君に 僕は安心した 女性は強い
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