「それで、あの家にこのままの流れで一生いたら、ますます気のいい人間になってしまうんだよ。」
「それの何がいけないの?」
「いけなくはないんだけど、僕が思うに、それは本当の気の良さじゃないんだ。平和で、お金もあって、時間もあれば誰でも人は優しくなれるでしょう?それと同じで、このままではそういう時だけの気のよさになってしまうんだ。それで自分の中にいやな黒いものが育っていってしまう。もしくは、うすっぺらい気のよさで一生終わってしまう。僕はせっかくもともと気がいい男なんだから、できることならその気のよさを育てたいんだ。黒いものではなくて。」
「幽霊の部屋」 よしもとばなな
♪そうさお前は今でも
ここをさ迷っているね
つらい人生に耐えてきたと
疲れた唇で語りながら
僕は夢を見た
お前に会う夢を
似た者同士の俺たち
海になり波になり砕け散る
昇る太陽のように
空の向こうまで
二人抱き合って
泣き疲れても共に行こう
「キリマンジャロ」挿入歌
男の・・・