炎天下では
あの頃を思い起こそう
帽子も被らず
ひたすら歩き続けたじゃないか
公園の水が命綱だった
木陰が救いだった
アイスキャンディーが宝石のように思えた
19の夏 ヒロシマ
陽炎に僕の未来を重ね見た
その人はまぶしい
僕は応対にひどく気を遣う
その人の得意な笑顔
一点の曇りもない爽やかな笑顔から
僕は逆に
宇宙の寂寥をよみとる
まるで星座のような
そうです
そしてまた
ひと知れぬ夜空の深淵に飛び交う
閃光のささやきを