笑いかけてくれ 僕のために
作り笑顔しか できない僕に
思い出させてくれ あのころのことを
ひたむきに生きて 見つめ合った二人を
サヨナラなんて 思いもせずに
手を握るだけで 勇気が湧いてきた
一日一刻が いつも輝いていた
真っ赤な夕日は 淋しい色じゃなく
明日また逢える 希望の色だった
笑いかけてくれ 今の僕のために
笑おうとしても 笑おうとしても
泣き顔になってしまう 僕のために
不気味な静寂が部屋を支配する
外からも音らしい音は聞こえてこない
時折風が隣の洗濯物を揺らすだけ
パソコンで観ているユダヤ人ガス室送りの
映画のせいかもしれない
まるでその時代にタイムスリップしたかのようだ
人間の愚かさはどこから来るんだろう
当事者は自分が後世に裁かれる存在だなんて
思ってもいないだろう
現代も同じようなものだ
明らかな軍服と武器を持たないだけで
やってることは愚か極まりない
市民は無抵抗に追いやられ
運としか言いようのない気まぐれが
人々の生死を分ける
暗闇と無音のなかで
携帯のバイブ音に
現在に引き戻される