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数字

数字は冷たい

数字は厳しい

数字は情け容赦ない

心通わぬ数字に埋もれて

僕は奈落の底へ転がり落ちて行く

差し出されるものは藁さえもない

氷のような・・・

ガラスの破片のような・・・

冷たく鋭い弓矢が

僕の胸に突き刺さる

綿のように柔らかい言葉は

オブラートそのもので

中身の劇薬が今にもはじけ出しそうだ2015100917284072c.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

精神のバランス

ずっと言われ続けてきた言葉

「いつも遠くを見ているわね」

「夢の中へ入っちゃうんだね」

「ほかの人の影が見えるね」

そうなのかな・・・

現実逃避?

夢旅行?

浮気性?

言葉にすればそんなことになるのかな

それもこれも

全部僕だよ

際どい精神のバランス

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サヨナラ

「さよなら」は言わないでおこう

そっと、そっと去りましょう

これが僕流のお別れさ

何と言われたって

どう思われたって

これが僕流のお別れさ



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語り続ける

植物状態でも、魂は聞いている。

僕が語り掛ける声を聴いている。

だから・・・

生命維持装置を外してはならない。


だから・・・

話しかける・・・話し続ける・・・

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蟻の巣

荒れ狂う自然の猛威

予報予知は出来ても

何十年に一度という豪雨に見舞われれば

家も人間も

蟻の巣と蟻んこに等しい

人類が侵し続けてきた悪業は計り知れない

進歩発展の掛け声の代償

立ち止まり熟考することを悪とする

まるでブレーキの壊れた暴走車のようだ

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晴れた朝の南の空に

雲と見間違うような白さの半月が

薄ぼんやりと死んだように浮かんでいる

月は

明るさの中で眠るのか



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自問

わずか数百メートルの坂道

ガレージからの帰り道

いろんな生き物に出会う

雀 カラス 蟻 蝶 ミミズ カタツムリ トカゲ 蛇 てんとう虫

そして季節の花々

みんな・・・生きている

精一杯生きている〜僕にはそう見える

そしていつも自問する

負けているんじゃないか・・・あいつらに
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女番長

その優しさがマイナスだと言われる

過ぎるのだ・・・と

甘さに置き換えてのことだろう

そうかな

これは父譲りだからね

良いも悪いもないよ

僕の中に

母親譲りは見つけられないのかな

女番長のような一面の欠片でも

残しておいて欲しかったさ

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まぼろし

ねんねこや〜

ねんねこや〜

あきおはいい子だ

ねんねしな〜

・・・・・・・・

ゆっくりからだを揺らしながら

軽く優しく両の手が動く

・・・・・・・・

昼間、坂道を駆け上って

母の胸に飛び込んだ瞬間が

スローモーションのように蘇る

でも

すべてはまぼろし

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母の声

   母の声
     
      母は四つの僕を残して世を去った。
      若く美しい母だったさうです。


母よ、
僕は尋ねる、
耳の奥に残るあなたの声を、
あなたが世に在られた最後の日、
幼い僕を呼ばれたであらうその最後の声を。

三半規管よ、
耳の奥に住む巻貝よ、
母のいまはの、その声を返へせ。

               堀口大學



      ※シチュエーションがまったく同じである。
       僕は前日、満三歳になったばかり。
      「あれ・・あきおが、まんまごせって言っちょうわ・・・」
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posted by わたなべあきお | - | -

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