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アナザーストーリー①

 湖畔の宿で眠りにつく前に、僕は意を決して彼女に告げた。「明日、一緒に博多へ行くよ。」それまで僕の返事があまりにも遅いので、半ば諦めてた彼女の表情がみるみるうちに変わった。そしてそれは驚きと喜びとが入り交じった複雑な表情へと変わって行った。やがて無言で抱き合い、安心の極致とでも言うように、二人は深い眠りに落ちて行った。

 翌朝、不思議そうな眼差しの女将の見送りを受けて、僕たち二人は電車で京都駅まで出て新幹線のホームに立っていた。僕は荷物など何一つ無い。用意のために叔母の家に帰れば、強く引き留められることはあきらかだったから。叔母はこうなることをかなりの確率で予測していたのだ。それが僕の本質でもあり、女の勘でもあったのだ。

 列車に乗り込んで、しばらくしてから、彼女がふーっと小さくため息をはいた。それは真底安心しきったようなものだった。彼女は大きな人生の賭けに勝利したのだ。僕はと言えば、ある種の後ろめたさと、明日への希望の入り交じった不思議な落ち着きの中にいた。窓外を見るふりをして彼女の横顔をうかがった。それに気づいた彼女がちょっと眼を見開いて「なに?」と無言で問いかけた。僕もまた無言で「ノープロブレム!」と返した。こんな会話ができるのは、僕たち二人だけだと改めて確信した。

 

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現れよ!

大企業の驕り、不正、傲慢経営

政界与党も然り、脳と心の中身を疑う

トップも経営陣も総崩れだもんな

いわゆる知識人が、もっと前面に出るべきじゃないかな

テレビや新聞での口ばっかりじゃなくて

行動する評論家よ現れよ!

行動する善人よ現れよ!


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