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帰省すると

玄関を入ってすぐの壁に

大きな額が吊り下げられていた

父の独特の書体で書かれた

草野心平の「石」だった


       石

     雨に濡れて。

     独り。

     石がゐる。

     億年を蔵して。

     にぶいひかりの。
    
     もやのなかに。


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さあ

明るく行こう

楽しく行こう

上を向こう

前を向こう

忘れかけていた陽の部分

置き去りにしてきたジャンプ台

さあ、此処からだ

そう、これからだ

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バックコーラス

月にかかる松の枝葉のように

快晴の空の一片の雲のように

メインボーカルの横のバックコーラスのように

映画の中の渋い脇役のように

僕は

そんな存在でありたい



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独り

あの人も あの人も

素知らぬふりして通りすぎて行く

僕は呼び止めかけた手を引っ込める

忘れられたか

気にもされない存在か

もう数十年前の流行り歌が

僕の心を慰めてくれる

僕はいつも言ってきたよな

自分が思うほど

人は僕のことなんか気にしちゃいない

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振り向けば

振り向けば寂しい

君の住むふるさと

この道はいつの日にか

希望につながる

東の空に陽が昇るまで

とても とても

とても遠い旅さ

暗闇の彼方に

口笛が流れる

この道はいつな日にか

希望に繋がる







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静寂

うだるような暑さの池の葉陰で

低音の蛙の鳴き声が響く

勝手な通訳を試みよう

「おまえは何を考えているんだい?」

僕は答えてやるさ

「君と同じことを考えているのさ」

鳴き止んだ静寂に

己の愚かさを恥じた

「わ~!」とでも叫べば良かった

そのための静寂の方が

スッキリしたはずだ   


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色香

体験は素晴らしい

想像をはるかに越える

あの満天の星空

あの遥かな水平線

あの静寂の跨線橋の下

独りではこれ程まで鮮やかには甦らない

あなたと僕

若々しさの鮮烈な色香
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気がかり

思い出しておくれ

僕の顔 僕の声

僕はいつも思い出す

あなたの顔 あなたの声

ただ 気がかりが一つ

僕と気づいてくれるかな

あなたを見つけられるかな

もう半世紀も経っちゃったよ
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あなたの気配

まわりには誰ひとりいなかつたから

きみの名前を呼んでみた

暗闇の彼方で

声は寂しげに木霊した 

もう一度そっと呟いてみたら

すぐそばに君の気配を感じた

そっと振り向く僕に

生ぬるい夜風が頬を撫でた





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知らない街で

いろんなことがあるさ

いろんなひとに逢うさ

ぼくらの旅は果てしなく続く

知らない街で愛を見て

ふと立ち止まり

和んでみるのもいいさ

旅はまだ続く


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