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夢の迷路

声をかけたけど

きみは振り向かない

きみの前へ行こうとしたけど

透明な壁が行く手を遮る

そうか・・・だから聞こえないのか


壁は奇妙な曲線の集合体で

抜けたと思っても必ずこちらへ戻される

なぜなんだ・・・

僕たちはねじれの位置関係なのか


数学的なものと

哲学的なものとが混在した不思議な世界

僕はとんでもない迷路に入り込んでしまったようだ

ああ・・・

またあの基準点に戻ってきてしまった




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おかあさん

白い野菊 それが おかあさん

かすみ草 それが おかあさん

甘い綿菓子 それが おかあさん

両腕を開いて受け止める それが おかあさん

縁側の陽射し それが おかあさん

柔らかな胸のふくらみ それが おかあさん

頭を優しく撫でる手 それが おかあさん

お風呂の湯気の中 それが おかあさん



自意識があれば 鮮明に覚えていたでしょう

何も覚えがない

あるのは・・・

挫棺の中の

花嫁のような白装束のあ・な・た

三つ子の魂 ここにあり

おかあさん

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ひたすら

土を耕そう ひたすら 土を耕そう


   水を引こう ひたすら 水を引こう


      種を蒔こう ひたすら 種を蒔こう


         干上がって 石ころだらけで 誰も見向きもしないけれど

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寂しくなんか(返詩・春の乙女)

      さびしくなんか


    あなたは そこにいて ここにはいない

    でも・・・

    あなたは わたしの こころのなかに

    そっと やさしく いてくれる

    だから・・・

    わたしは さびしくなんかない


もう・・・

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存在

何を求めていたのでしょう

何を探していたのでしょう

それらはみな

すぐそばにあったのに

まるで空気のように

まるで寄り添う影のように

ずっと離れずに存在してくれていたのです

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サヨナラ

ひとは何時か旅立つ時が来る



実に



あっけなく



悲しんだり、懐かしんだりする間もくれずに

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なんのために

何のために歩くの

健康のためですよ

何のための健康なの

長生きするためですよ

何のために長生きするの

・・・・・・・・・・・・

ここが問題だ

人生の大命題

ひとはみな

先送り先送りして

避けて避けて

生きている

小説家は考えすぎて見えすぎて

自死を選択する

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春日幻想

私は大きな球を負っています

球の中は春の風がいっぱいで

私はその球面の一点

球は春の大地と触れていて

つまり私はその切点なのです


さまざまな想いをこの中に秘め

私は

春の大地をごろごろまわりましょう

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きみだけに

きみは時々、寂しそうな表情を見せる

それは、僕にしか見えない瞬間かもしれない

だって・・・

すぐにきみはいつもの笑顔に戻ってるんだから



僕は僕で

ピエロ性は終生消えないだろうから

いつだって笑っている

その瞳の奥の寂しさを

わかってくれるのは

きみだけかもしれない

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白い月

東方の山の上あたりに

下弦の白い月が

うすぼんやりと浮かんでいる



存在感の希薄さに

自分を重ねてしまうのは

自虐的すぎるでしょうか





目を凝らしてみましょうか

笑う口もとが隠れているかもしれません28.2.18-2.jpg

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