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断 章

愛児の死など
忘れさせてしまうような
暑さであった

いずこの日とも思われず
日が照り
蝉が鳴いていた

それなら
一体
誰に
語り明かす
相手が
あるというのか


おもかげを索めてつきず蝉の声


           (父・一夫)



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僕は本来・・・

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夏物語

遠い過去の夏物語

ザリガニ トンボ釣り 蝉時雨

水まき 縁側 夕涼み

行水 団扇 蚊取り線香

浴衣 下駄 線香花火

湖水 大花火 夏祭

ランプ 蚊帳 怪談話

湧き水 西瓜 かき氷

潮の香 手漕ぎ舟 精霊流し

さざ波 手つなぎ 満天の星

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祈り

祈りは

光の玉となって

時空を超え

必ずや

目的の地に、人に

届くのです

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テレパシー

時々でイイですから

思い出してください

僕の顔

交わした言葉

手のぬくもり

もちろん

伝える術は知っています

でも・・・

その手段は使いたくない

そうです

これはあくまでも

テレパシーの交信でなくては

意味がないのです

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殴り書き

あゝ

純無垢のあの頃に戻れたなら

躊躇なく

ありのままの言葉が発せられるだろうに

正義に基づく行いができるだろうに

幾多の手かせ足かせは

言葉も心も捻じ曲げて奪い去る

今綴るこの文字が

紙も破れんばかりの殴り書きだと

誰が知るだろう

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雲の宅急便

梅雨空が晴れて

蒼空が見えたなら

南南西の風よ吹け

白雲よ湧け

そしたら僕は

この便りを頼みましょう

北の大地のあのひとへ


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プレゼント

今日、偶然想い出の人と出会った

どちらも車

彼女のは個性的だからすぐに分かった

後ろについた彼女に

窓を開けて手を振った

「ひさしぶり」「元気?」

掌に想いをのせて・・・

すぐに彼女の車は左折して行った

懐かしい想い出がスライドのように蘇った

ちょっと落ち込んでいた僕への

天からのプレゼントだなと

ひとり笑った

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離婚

自ら行動を起こして

壁を突き破って見せた君は

賞賛に値する

素直に拍手を送ろう


ご褒美の解放感は

格別だろう

何よりも

そのリラックスした

前しか見ていない横顔が

自然で美しい


離婚

傍目には

理解不能な出来事だけど

これまでの何倍もの濃さで

生きなさい



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「だまってあの子の顔をみる」

   だまってあの子の顔をみる
   だまってあの子の肩を抱く

   あの子のからだから
   正しいやさしさがわたしに伝わる

   わたしはうれしい日ぐれを
   あの子のからだから知る

             サトウハチロー

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僕には・・・

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笑顔の向こう側

見える者には見える

感じる者には感じる

隠しても

装っても

そうなんだ・・・見えるし、感じる



いちばん心が痛むのは

笑顔の向こうの涙かな

それが見えた時、感じた時

僕の胸は締め付けられる

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