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背景の記憶(195)

僕は、作中の維朔こと作者と京都で遭遇していたのかも知れない。

まさに同時代を生きていた。

教師だった父からの個人的教育(英語の原書を読め)(多読、速読)、

白紙答案の受験、ロックバンド・村八分、大丸(週給,万引き)や染め工場での 

バイト、西陣界隈の諸々(パチンコ,ストリップ,五番町・・・)

橋の下こそなかったが、寝袋一つの放浪

喫茶店やジャズスポット

ギター、ピアノ、音響・・・

そして何よりも、行くところ行くところでの、女性との関わり

彼ほどのどぎつさ、えげつなさはないにしろ

心的にはかなりの部分で共通項を見出す。

分かっていながら、突き進まねばならなかった青い性

意外なくらいに踏みとどまる内的抑制

そして何よりも・・・

テクニックと化した人的操縦術への嫌悪

それが僕の「卒業」だったのかもしれない。

「百万遍 古都恋情」 花村萬月



27.12.25-1.jpg

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マイペース男

「マイペース」と言われると

大方は、「自己中」とか「自分勝手」というような

マイナスイメージが強いみただけれど

僕はちょっと違う感じを抱いている。

それは、仕事で係わる職人さんたちのこと。

プロというか熟練工というか

そういう域に達した彼らは

まさにマイペースなのだ。

というより、マイペースが体に沁みこんでいると言うべきか。

じっくり現場を観察し、準備を怠らず、行きあたりばったりはなく

着実に一工程、一工程をこなしてゆく。

休憩の間も、次の工程を考えている。

う〜ん、恐るべし「マイペース男」27.12.25-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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