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遠雷戯画

閉じていた瞼に
チカリ!
例の
前知らせをすることはしたさ

いくら待っても
なかなかやっては来ずに

二息も三息ものあと
どろん どろどろ どうん

そのとき こちらは どうだったか

うつら うつら  
テレビのつけっぱなし
気づいて止めに立ったら
眠りの精に突き放されて

わびしいどころか
狭苦しい
殺風景きわまる一人部屋の
闇のなかで

とり抑えても
とり抑えても
湧いてくる
不燃焼想念に辟易していたのだ

ぶるぶる ピリピリ
大きな屁っこを
こきやがったな

往生際のわるい
切れ味のわるい
大砲ぶっぱなして
すっ飛んでいった

once more

アパートの一室の
孤独の 闇の 真夜中に





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posted by わたなべあきお | - | -

驕りの代償

  天下無敵の 大自信
  あたかも われは殿姫か

  母親譲りの 傲慢と勝ち気

  スミマセンとゴメンナサイとダイジョウブデスカ
  の常用語

  奇麗な着物の中の鎧と兜と脇差


  私は直言する

  己を客観視せよ
  恥を知れ
  

  顔相は簡単には変えられぬ
  幾十年の蓄積だ
  鏡をごらんなさい

  その顔にたじろいだなら
  まだ救われます



  


  
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帰心列車

   神話が彫りつけた山谷を
   縫って

   列車は一路
   走りくだる

   <ネオンサインの
   無意味な 繰り返し

   小さいオス メスどもの雑魚寝

   朝出の道で   
   その中の一人は 腹を抑えて
   しゃがみ込んでしまった>

   窓に
   霖雨降りしぶき
   
   列車は一路
   ふるさとの湖畔めざして
   走りくだる



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率直性

率直性

この新鮮さ

これが最大の美徳であること

・・・それを気付くまでに

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なにくそ!

僕の心の中の最奥深の壁には

なにくそ!

ナニクソ!

何糞!

と書いてある

そして上を見上げれば・・・

そうだ!俯くな!胸を張れ!

と書いてある

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歩く

七百メートル

歩かなければガレージには行けない

仕方なくと思えば足取りは重い

これこそ運動だと思えば歩は進む

一歩の歩幅を考える

1 2  3  4 ・・・・・

目を閉じて歩いてみる

十歩も進めない

右にずれている

からだのバランスのテレビ映像を思い出す

目の不自由な人の心を思い遣る

「おはようございます!」

早朝ウオーキングのおばちゃんの声で我に返る

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春よ来い

春よ来い

僕だけの春よ来い

僕だけに春よ来い

肉体以上に冷え切った こころ

ガスバーナーでは溶かせない

ぶ厚く冷たい氷の世界

他力に縋らず

火打石を遣ってみようか

カチッ カチッ カチッ

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商売

街の片隅に

名もなき優しい人たちが

慎ましく生きている

暗闇にポッと燈る蝋燭のように

廻りの暗さ寒さに負けず

なんとあたたかくほのぼのとした力だろうか

僕はこんな人たちと接していると

商売が嫌になる

基本、向いてないんだろうな

そう思う

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地の星

夜明け前の黒いアスファルト道

街灯の光を受けて

キラキラと輝いている

まるで星空が映し出されるかのように

十年に一度とかいう大雪も

道路の南側や軒下のようなところを除いて

やっと消えかかっていた

太陽の恵みはなんて大きいのだろう

気温が低くても

あたれば数時間で氷を溶かす

日陰に残る氷たちは

我はまだ此処にありと言わんばかりに

地にへばりついている

そしてその証とでも言うように

暗闇の星と化して輝いているのだ

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青春

人生は いつも青春

いつも 青春

いつも 心の流離い

流れ星 いくつ数えた

幾つになっても

あのころのままの自分が居る

「あなたは いつも 遠くを見ている」

あの言葉が 胸を突きさす

それでもなお 僕は今でも

どこか遠くを見ている

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