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遠い眼差し

「あなたはいつも遠くを見ていた」

突き刺さる別離(わかれ)の言葉

無意識の心の徘徊

不確実な弁解

自業自得

胸の痛みを癒すかのように

またしても僕は・・・

遠くを見てしまう

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posted by わたなべあきお | - | -

離島の星空

浜辺に引き上げられた櫓漕ぎ舟に

僕たち二人は腰掛けて

沈みゆく夕日を眺めていた

何の言葉も要らない

圧倒的な離島の夕暮れ


劇場の幕間のように

空は満天の星空へと移行する

手が届く・・・を実感する


やがて僕たちは

ゆっくりと仰向けになり

星たちの一員となる

握り合った手は

見事なまでにとろけ合う

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posted by わたなべあきお | - | -

蒼空

雲の上はいつも蒼空

こんな看板を掲げたお店がある

ちょっと寄ってみたくなるね

僕の心のどんより雲が消えてなくなるようだ


雲一つない蒼空の向こうから

大學の学園祭なんだろう

大音響の歌声が届く

若いってすばらしい

謳歌せよ青春


僕も一瞬若返ろう

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posted by わたなべあきお | - | -

照れ笑い

コバルトブルーのシャツ

いきなり見せつけられて

僕は目を見張った


あなたの心の表出


僕よりも周りが感じ取った

恋心


あなたは勇者だね

僕は小さくなって照れ笑い


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posted by わたなべあきお | - | -

魂のふれあい

ゴロゴロ石の急な坂道

木蔭の中の透き通った湧き水

見上げる葉陰に見え隠れする家

登り切った丘の上

見下ろせば真っ青な入り江

此処が知夫里島 生まれ故郷

兄姉眠り 母眠る 自然の只中の墓地

祠は朽ちて土と化し

落ち葉が彼らを優しく覆う

深い緑のトンネルを歩けば

彼らの囁きと笑い声が聞こえるような

もう一度引き返し お〜い!と叫んでみる

こだまは聞こえず

優しい空に吸い込まれていく

お〜い! お〜い!

懐かしくあたたかな魂のふれあい

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ただ一言

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
好きと言ってくれてありがとう

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
バスケへのひたむきさをありがとう

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
アナウンサーに成れなくてごめんなさい

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
あなたは僕の太陽でした

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
あなたの純情を受け止められなくてごめんなさい

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
あのまま一緒にアメリカへ行きたかった

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
心のブレーキを踏んだあなたは大人でした

あなたに会いに行こう
そしてこれだけは伝えよう
ただ一言
ストレートを体言してくれたのはあなたでした

posted by わたなべあきお | - | -

置き去りにされた悲しみは

置き去りにされた悲しみは

あなた方には分かるまい

置き去りにされた淋しさも

あなた方には分かるまい


大人の浅はかな感覚は

子供の実感には及ばない


外灯のないバス停で

ひたすら帰りを待っていた

田舎町の運行間隔には怒りさえ覚えた


もう七十年の年月を経ても

こびり付いて離れないあの時の淋しさ悲しさ


わかっていたさ

いや今なら言えるさ

それだけの存在の自分であったと


そんな自分を

天の実母は

どんな思いで見ていたのだろう


そこのあなたに温もりを求めるには

僕はまだまだ幼すぎた

posted by わたなべあきお | - | -

彷徨

辛うじて残しておいた

心の一角を突き抜かれた

迂闊 油断 意外


またしても彷徨

流浪の旅に放り出されるのか

覚悟 別離 彷徨

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オアシス

何気ない言葉の中に
棘を感じて
意図とは断りなく
隙を刺される

辛うじて信じていた心の片隅の空間が
あえなく占領しつくされる

また・・・
別のオアシスを求め歩くのか

杖も日除け帽も
もうその務めには耐えらえそうにない
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posted by わたなべあきお | - | -

蜃気楼

あなたは

急ブレーキを踏んだ

フロントガラスに頭をぶつけた

そして急転回

禁止表示などまったく無視

助手席の僕は路上に放り出された

走り去る白煙を

僕はうつ伏せのまま見続けていた

蜃気楼のように

車の影がゆらゆらと揺れながら

遠ざかって行った・・・


あれは・・・

蜃気楼ではなくて

僕の涙だったんだ

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posted by わたなべあきお | - | -

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