母 二十歳
長女 成子・・・一歳一ヶ月で逝く
愛児夢限
バーミリオンに灼けた
地平の一本道を
ちっちゃい頭が
ひとりぼっち
とぼとぼと
消えていったよ
その人はまぶしい
僕は応対にひどく気を遣う
その人の得意な笑顔
一点の曇りもない爽やかな笑顔から
僕は逆に
宇宙の寂寞をよみとる
まるで星座のような
そうです
そしてまた
人知れぬ夜空の深淵に飛び交う
閃光のささやきを
僕は入学した
現実社会大学
本当の大学なら普通は四年で卒業だけど
僕は何年で卒業するんだろう
実は分かっているんだよ
ずっと留年ってことをね
何が卒業の証なんだろう
だれがそれを認めるんだろう
僕は人生を凝縮して生きている
昨日が今日で
今日が明日になる
でも・・・でも・・・
巡り巡った円環は
その出発点さえを消し去ってしまう
僕は果てしない球体を
また今日も
違う軌道で彷徨っている
歩く、歩く
文明の利器さえも、意識せず
当たり前と思っていた、車のハンドルを握らず
僕は・・・
歩く、歩く・・・
歩き通す