何ともこの世は生きにくい
何がそうさせるのか?
それとも・・・
すべて<自業自得>なのか
そう受け止めるべきだろう
解かっているんだよ
でも・・・
どこかで拳を振り上げる自分がいるんだよ
その対象者が幽霊みたいで
拳が空を切るんだよ
夜明けの直前
陽光が東の山端を
鮮明に写し出す
右弦の半月は
南天に臼ぼんやりと
浮かんでいる
まるで自分の役目は
終わったとでも言うように
やがて草花が目を覚ます
まるで背伸びでもするように
花びらが動き始める
葉っぱが船出の帆を揚げる
あなたは太陽
僕は月
あなたは明るく快活だ
僕はあなたの陽光を浴びて
青空の中に吸い込まれていく
まるでやっと安眠を得たように
僕はじっと待っていたのです
動けば見つけられないだろうと
僕は眼を瞑っていたのです
微かな香りも見逃すまいと
僕は耳を澄ましていたのです
あなたのハミングを聞き逃すまいと
横顔が好きでした
振り向いたあどけなさが好きでした
ただ遠くから見るだけの僕でした
風が運んだこの愛は
わたしひとりの大きな愛
だれも知らないこの愛は
わたしひとりの宝もの
このときめきは
ゆるやかな波動を呼んで
緑の風に乗り
あなたの頬に届くでしょうか