<時>をキャッチせよ
その鈍い触覚ででも
空気を読め
その鈍い嗅覚ででも
掴めるはずだ
読めるはずだ
重ねた経験は無駄ではない
想い出と願いを
両翼に乗せて
紙飛行機のように飛ばしてみたさ
爽やかな新緑の風よ
その力強い上昇気流に乗せて
あの人の胸に
届けておくれ
心だけが
ひたすら走り続けて
なのにカラダは
まるで死人のように動かない
愛の鞭とやらを入れられたって
牛馬でもあるまいに
振り向く眼光が
自分さえもが怖ろしい
気が付けば横に居た貴女に
母を見た気がした
それほどに
優しく和やかな空気だった
その空気を大切に吸い込んで
僕は眼差しで
答えを返した
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
♪心の中に傘をさして
裸足で歩いている自分が見える
人の言葉が
右の耳から左に耳へと通り過ぎる
それ程頭の中はからっぽになっちまってる
今日は何故か穏やかで
知らん顔してる自分が見える
心の避難場所を持ちなさい
防空壕を持ちなさい
・・・でないと
心が破裂しちゃいますよ
死にますよ
たくさん見てきたでしょう
死なないまでも
引きこもりになっちゃいますよ
良かったですね
「此処」が有って
しっかりと
じっくりと
自分と向き合う
自分に語りかけ
自分と論を戦わす
出てきた・・・
煮詰まった・・・
その答えに
僕は従う
それこそが「己」だから
友として
共通項に思いあたる
ふと・・・
寂しげな表情を見せる
ほんの一瞬
僕にはわかる
その因が何なのか
あなたがS極なのかN極なのか
僕がどうなのか
それはどうだっていい
とにかく
引き寄せ合う何かがある
負け犬の遠吠えと
言い放ったのはアナタではあるが
何に負けたというのでしょうか
この落伍者めと
蔑んだのもアナタではあるが
何から落ちたというのでしょうか
土俵がちがう
生き場所がちがう
僕は音量をゼロにする
疲れ果てていることは
だれにも隠せはしないだろう
ふらふらとたどり着いた館の門番が
無表情に立っている
その主に声をかけようとしても
喉の奥に引っかかって
音化することすらできない
無声映画のように
パントマイムのように
試みてはみたが
ど素人に言葉は宿らない