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背景の記憶(287)

本土から遠く離れた小島の磯辺

小舟の縁に腰掛けて

満天の星空を見上げた

言葉を失うくらい・・・

壮大な宇宙の絵巻物に圧倒された

手を握り

肩を寄せ合い

そのまま星空に吸い込まれるような・・・

あのころが幸せの絶頂だったのかな

悲しい別離なんて

これっぽっちも思わなかった

不甲斐ない、決断力のない、意気地なしの僕

明るく軽やかに、グイグイと引っ張る君

あのまま付いて行けばよかったのかな・・・

「どうして、そんなに苦しい方へ苦しい方へ行くの?」

明確に答えるだけの根拠が見出せなかった

ただ・・・

ただ・・・

男としての変なプライドみたいなものが

目の前の温もりを、優しさを遠ざけて行った



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posted by わたなべあきお | - | -

想い出の中の貴女

仕事先の貴女の中に、遠い昔の彼女が重なった

生きていれば、目の前の貴女そのものであったでしょう

そんな複雑な想いで会話している私を、貴女は知らない

今日初めて逢ったのに、旧知の友のように感じられて・・・

深くて難解な話をしてしまった

そんな自分の中に、いまでも心の奥底で燻っている自分の本心に驚いた

今日の貴女は、遠い昔の彼女の化身だったのだろうか

そんな複雑極まりない内面の叫びを知らぬまま

貴女は快活に受け答えしてくれた

まるで彼女が蘇ったように・・・

明るく・・・軽やかに・・・







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posted by わたなべあきお | - | -

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