さりげなく
さりげなく
なにごとも さりげなく
これ見よがしではなく、人を、その場の雰囲気を見極めて、事もなさそうにさっとやってしまいたい。事によっては、縦、横、水平も極めたい。謂わば、歌舞伎や狂言の黒子的振る舞いといって良いかもしれない。
思い出したことがある。お寺で御導師が出仕される時、弟子や掌典係が裾払いをする。これがまさに黒子的お給仕が求められるのだ。まるで風でも吹いて、フワッと衣の裾がおさまるように…。
この一事が極められれば、世の中の全てが上手く行くと言って良い。
「早起きは三文の徳」という。
四時半、ケータイの目覚ましアラームがせわしなく鳴る。
ガレージまでの七百メートル、坂道を下り歩く。
目の不自由な人の思いを、ちょっとでも知ろうとして、目を瞑って歩いてみる。
障害物もない、車も人もいないという条件下ではあるが、それでも十歩と歩けない。眼を開けるとかなり蛇行している。二十歩に挑戦してみる、今度はガードレールがすぐ横だった。やはり安心のためには杖が必要か。
三十分ほど運転して、お寺に到着。掃除当番なので玄関、廊下、階段を掃除する。一時間弱のお詣りを終えて帰路に就く。帰りは出勤時と重なるので倍の時間がかかる。目を瞑って歩いた道には、小学生、中学生たちが登校し始めている。この時間帯
は要注意だ。高齢者運転の事故のニュースがよぎる。
♪咲いて散るより 蕾でいたい・・・
それは、咲いてしまってから吐ける言葉です。
そう呟きたくなるほどの辛いことがあったのですね。
しかも女性ならではの言葉ですね。
しょい込む荷は、耐えれば耐えるほど重くなる。
まるで登山のリュックに沁みこむ雨のように・・・。
ぼんやりと思い出す一コマがある。
あれは立山への登山。
大学時代のリーダーだったと豪語していた人が最後尾となり、四人のパーティーは
富士登山以来二回目の僕が先頭をきる羽目になった。しかも女性が一人いる。夕闇は間近で、未熟者の僕でさえ危険を感じ焦った。力を振り絞って涸沢までたどり着き、自分のリュックをおろしてすぐに三人を迎えに下りた。背負えるだけの荷物を背負って励ましながら歩いた。際どいタイミングでテントを張り終わった時には、もう夕闇が迫っていた。夏登山とは言え、自称リーダーはあまりにも軽装だった。しかも登山靴ではなく履き古した革靴だった。三人の軽蔑の眼の前で、彼はしょんぼりと佇むしかなかった。翌朝の登頂は、当然ながら多数決で取り止めとなった。
もう四十年以上前のこの経験は、その後の僕の人生の生きた教訓となった。奢ることなかれ!念入りに準備しろ!万一の時のことを考えよ!女性を護れ!
「蕾でいたい」
夜の蝶だった彼女のテントの中での呟きだ。
テレビの限界 この閉塞感
YouTubeの解放感
職場から解放された酒場の自由
空間的雰囲気
制約のない奔放な発言
大きな転換期だな
新聞も然り
もうあたり前がどんどん
追い越されていく
葬りさられていく
♪流す涙で割る酒は だました男の味がする・・・
♪呼んでとどかぬひとの名を こぼれた酒と指で書く・・・
♪ほろり落とした幸せを あなたと二人拾う街・・・
♪涙枯れても 夢よ枯れるな
二度と咲かない花だけど・・・
♪男の嘆きは ほろ酔いで
酒場の隅に置いて行く・・・
照れ屋で意気地なしの僕が、歌の文句に心をのせて告ってみる(古い!)
それは慰めでもあり、励ましでもあり、ほのかな片思いでもあり・・・
何度かあったなぁ・・・
一度は内ポケットにケータイをonにして忍ばせて歌ったこともある。
スナックのママの勘は鋭い!
「誰か好きな人でもできたの?やけに情がこもってるわね」
負けずに答える
「こんな段階が一番イイのです。それから先は危険地帯」
「ナベちゃんらしいわね〜でも相手からすればこの意気地なし野郎!」
「わたしをおいて、浮気しちゃだめよ!」(どこまでが本気なのか?)
スポーツは卓球をしている。哀しいかな、年齢には勝てず、フットワークがままならない。今やっている世界卓球~平野美宇選手を応援している。孫の年齢に近い存在だが、プレースタイルが好きだ。戦いのあとのコメントや表情も好感が持てる。オリンピックに向けてファイト✊‼️
今日(2月11日)は、私たち夫婦の金婚式。
建国記念日なので、あっ、忘れてた!はこれまでに無い。
半世紀・・・長いような、あっという間のような、複雑な感覚。
僕個人的には、結婚までの四半世紀が壮絶過ぎたので、色々あったとは言え、
右肩上がりの時代の流れもあって、比較的安定した五十年ではなかったろうか。
ものは考え様・・・下を向いて生きれば暗い人生になってしまう。
苦しくても、辛くても、上を向いて歩けば、希望が湧いてくる。
そして現実、たくさんの人たちの支えがあって乗り越えてきた。
しかし他方、家内からすれば、言いたいことは山ほどあるだろう(たぶん)。
廻りと比較対照してみると、良き伴侶に恵まれた・・・の一語に尽きる。
遅まきながらでも、恩返しの心で生きなければ!との思いを強くする。