♪咲いて散るより 蕾でいたい・・・

それは、咲いてしまってから吐ける言葉です。
そう呟きたくなるほどの辛いことがあったのですね。
しかも女性ならではの言葉ですね。

しょい込む荷は、耐えれば耐えるほど重くなる。
まるで登山のリュックに沁みこむ雨のように・・・。
ぼんやりと思い出す一コマがある。
あれは立山への登山。

大学時代のリーダーだったと豪語していた人が最後尾となり、四人のパーティーは
富士登山以来二回目の僕が先頭をきる羽目になった。しかも女性が一人いる。夕闇は間近で、未熟者の僕でさえ危険を感じ焦った。力を振り絞って涸沢までたどり着き、自分のリュックをおろしてすぐに三人を迎えに下りた。背負えるだけの荷物を背負って励ましながら歩いた。際どいタイミングでテントを張り終わった時には、もう夕闇が迫っていた。夏登山とは言え、自称リーダーはあまりにも軽装だった。しかも登山靴ではなく履き古した革靴だった。三人の軽蔑の眼の前で、彼はしょんぼりと佇むしかなかった。翌朝の登頂は、当然ながら多数決で取り止めとなった。

もう四十年以上前のこの経験は、その後の僕の人生の生きた教訓となった。奢ることなかれ!念入りに準備しろ!万一の時のことを考えよ!女性を護れ!

「蕾でいたい」
夜の蝶だった彼女のテントの中での呟きだ。

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posted by わたなべあきお | comments (0) | trackbacks (0)

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