不気味なほどの静寂が続いている。
ケータイは一度たりとも鳴ることはない。
まるでマナーモードにでもしているかのように。
世の中は動いているのだろうか?
生産のざわめきは、僕の耳には届かないのだろうか?
それほどに僕の周りは静まり返っている。
まるで時が止まってしまったかのように。
亡き父を思いかえってみると、父もまたこの年齢の頃、
似たような時を送っていたのだろうか?
そして広告紙の裏やそこらにある紙切れに、自分の頭の中の
妄想や思いつきを文字化することで、気をまぎらわしていたのだろうか?
ごくたまに立ち寄った(帰宅したとは書いたことがない)時の
変わらない風景だった。
父もああして自分だけの世界へ没入する習性を持っていたのだった。