詩声

暑さと寒さが同居する
季節の分かれ目で
山の木々は衣替えに戸惑い
空をゆく雲でさえ
その形を作れないでいる

ベランダを抜ける風は
生あたたかく
それでもじっと待てば
時折ひんやりとした風が
宅配便のように届く

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自分の中の裸心が
行き場を失って彷徨い
暗闇の中で
毛布に包まってうずくまる
かすかな温もりも訪れず
測れない寒気が
冷え切った心温を
さらに奪いにやって来る

掻き立てよ
掻き立てよ
擦り出せ
擦り出せ
心液を絞り出せ
ふと・・・
君の詩声を思い出した

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posted by わたなべあきお | - | -

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