背景の記憶(346)

世の中の裏側(側面)

その世界で脚光を浴びる主人公の裏で

その主体を支える人がいる

彼はその世界では有名なボーカリスト

彼女は、彼の妻

僕は地方出身の田舎者そしてプー太郎

そのふたりが英会話教室で出会った

夫は華やかな世界の寵児

僕は名も無きやさぐれ男

華やかな主人とその彼を支える英会話教室の彼女

僕は知らなかった……何もかも……

先生は優しかった……そして厳しかった

優等生揃いの教室の中で、浮きに浮いた存在の僕を

優しく、温かく……掬い上げてくれた

当然の流れのように、プライベートレッスンへと進行していった

いわば僕は根っからの田舎者

彼女から見れば、磨き甲斐のある原石と映ったのかも知れない

僕は自らを知らなさ過ぎた

客観視能力も無かった……子供だったのだ

性の誘惑にも気付かず………

彼女の涙の理由にも気付かず……

でも……それで良かったという結末にも気付かず……

すべては彼女が、オトナだった

でも、今にして思う……

自分の中の宝物は、この己自身なのだと。

posted by わたなべあきお | - | -

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