「むっつり助平」という言葉がある。
僕はその言葉をもろにぶつけられたことがある。
彼は当時の一方的片思いの彼女が、僕に気があると邪推してのことだった。
そのような事実はあろうはずもなく、僕はただ耐えるしかなかった。
生来、その方面では鈍感極まりない僕は??であった。だって当の本人とは
言葉も交わしたこともなかったのだから……。
しかし、事実はそのまた逆だった。
対象の彼女との距離が急接近したのだった。
いつもの習性で、僕は遠くから見ていた。人も物事も……。
ところが、彼女は違っていたのだ。
僕の形無き習性を、もろに受け止めてしまったのだった。
成就と言えば成就、悲劇と言えば悲劇。
またやらかしたか!
これは卒業したはずだった。
自分の心の中だけのドラマのはずだった。
不思議な現象だ……。
意は現に成る。
この時ほどテレパシーを如実に意識したことはない。