人の見る夢

あなたは僕の心を知らない
知る由もまた無い
当然と言えば当然
何ら差し挟む余地も無い

でも、あなたは僕の裏返しのように思えてならない
素っ気なさの奥に
溢れる好奇心の眼を見つけた気がする
あらぬ方向を見ているようで
心の眼は此方を凝視している

互いの特有の視線が激しく交錯する
バチバチと音を立てて
そこに生まれる火花の中に
一本の煙草を差し出してみる
吸い込んで赤みを帯び始めた瞬間に
何処からか しかし確実に
消し去ることを目的とした風が吹き抜ける

その風元を確認しようと振り向いたとき
その主の姿はなく
ほのかな灯りを伴って
天へと昇って行った
人のみる夢と書いて儚いと読む

posted by わたなべあきお | - | -

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