あれは僕が五十前くらいのことか・・・
仕事仲間とスナックで飲んで歌って、恒例の「そっとおやすみ」のチークダンスも
終わって、みんなが帰ったあと、一人残ったタクシー待ちの僕にママが言った。
「ねえ、ナベちゃん、○○さん離婚したの知ってる?」
「えっ!そうなの、なんで?」
「う〜〜ん・・・・あなたが原因みたいよ」
「え〜〜、まさか!ヂュエットはしたことあるけど、手も握ったことないのに」
「まったく、ナベちゃんは鈍感なんだから」
「そう言われてもね・・・」
「女心って、そういうものなのよ」
「わかんね〜な・・・」
「ほら、タクシー来たわよ」
「なんか、酔いがさめちゃったな・・・」
「まっ、そういうところがいいんだろうけどね・・・あっ、でも電話とか
しちゃダメよ。これは二人だけのハ・ナ・シ」
タクシーの中で、僕は考えていた。
「似たような話・・・二人目だな・・・」
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