出雲の女(ひと)

同姓だった。

三つ年上で、彼女のお母さんも先生だった。

県境の米子で働いていた。

米子は同じ山陰なのに、なぜか都会的な雰囲気の街だった。

東京スタイルというか、垢ぬけた雰囲気だった。

山陽との交通の要所だったからかもしれない。

お母さんや妹さんたちは、出雲大社に住んでいた。

理由は聞かなかったが、何かの理由で親夫婦の仲は良くなかったと聞いた。

いつものパターンで、僕たちは姉と弟のような関係だった。

詳細を知らない人から見れば、それで通ったかも知れない。

夫々の親たちは、これまた夫々に悩みを抱え呻吟していた。

その一種ドロドロとした闇の中で見つけた、灯だったのかもしれない。

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posted by わたなべあきお | - | -

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