さよならも言わないで
去ってしまった あなた
さよならは 永遠の別れとでも言うように
言葉も文字も残さなかった あなた
かすかな希望の欠片さえも残さずに
まるでそうすることが 別れの美学とでも言うように
あの頃のかすかな余韻の場面の中に
希む光を見つけようとしたけれど
僕を拒絶するように 扉は閉じられていった
鍵止めのない扉が 非情の風に
ゆらゆらと悲しい鳴き声をきしませていた
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