「「そこで、うちでは、電気ショック療法を併用してるんだ。分裂病の治療法だがな。これを続けると、重い健忘症になることがあるのは、有名なんだ。ただこれだけじゃ、最低六十回はかけないと、そういうふうにはならない。でもこれとパキシントンの投与を組み合わせて使うと、薬の副作用はほとんどなしになり、電パチの回数は十分の一以下で、記憶喪失の人間をつくることができるってわけだな」
「レベル7」(宮部みゆき)
僕が小学生のころ・・・
東京の大学へ行った兄が、自殺未遂を起こし、家へ連れ帰された。
大学病院の診断が(精神分裂症)で、上記の電気ショック療法を行ったらしい。
実効性は怪しいものだったらしいのだが、当時としては真面な治療法だったよう
だ。結局、兄は生まれ故郷の隠岐の島に帰り、祖父との船荷作業(回漕店)という
肉体労働で病気を克服したのだった。
本の中に出てくるような病院は、そこら中に存在している。「あそこに入れられた
ら、もうお終いだ。廃人になるよ。抜け出そうにも簡単には抜け出せない。まるで
刑務所さ」
それが、金儲け(ビジネス)と繋がっていることが恐ろしい。