パンチをくらって
仰向けに倒れた
クリーンヒットではない
腹をえぐるようなボディーブロー
目の前がどんどん暗くなってゆく
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言葉には
こんな力もあるのかと
しみじみ思った
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立ち上がって
ファイティングポーズをとろうとして
不覚にも膝を折った
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電話の向こうの
不敵な笑いが見えるようだった
あんな若造にやられるのか
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僕は無言でリングを降りた
歓声も罵声もない
無人のリング
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帰ろう
帰ろう
一人だけでも
待ってくれている
あの場所へ