満天の星
離れ小島の海辺に寝転がって
満天の星空を見上げた
あの夜を覚えているよね
無数の星たちは
手が届くようにそこにあって
降ってくるような
引き込まれるような
あの不思議な感覚
流れ星は
幾筋もの鮮やかな直線を描いて
水平線の向こうに消え
星雲も星屑と呼ぶには
もったいないくらいに
宝石のようにそれぞれが輝いて
本土の雑踏や喧騒を
吐き気を覚えるくらいに
遠ざけたくて
このまま時間余止まれと叫ぶ言葉を
大きなため息に変えて
僕は目を閉じた
すぐとなりのきみは
何を考えていたのだろう
何を夢見ていたのだろう
五つの年齢差は
母と子ほどの重さと温もりで
僕のすべてを包み込んだ