報道されるような賑やかさとは裏腹に この町は淋しく廃れている 台風の予防のようにシャッターは降ろされて 看板たちは幾十年の前のようでクサく感じた 歩道を我が物顔で走る自転車が どこへ向かうのか 立ち並ぶ店などまったく関係ないとでもいうように 無表情に通り向けて行った 表に出てきた帽子屋の主人が 僕を見て意味もなく笑っている 諦めの作り笑顔が 泣いているように見えたのは ただの僕の想い過ごしだったのだろうか
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