予感(青春時代)

あなたが後ろから追いかけてくる靴音は

言葉に置き換えられるほど新鮮で

思わず歩調を緩める僕だった

速足のいじわるはできなくて

かと言って振り向く勇気もなくて

隣に並ばれる瞬間が待ち遠しかった

それからの数分間

僕たちは見合うこともなく

交わす言葉もなく

ただゆっくりとした同じ歩調で駅へと向かった

自然に絡まった小指に力を感じたとき

初めて目と目で向き合った

そしてやがて安心しきったように

しっかりと手を握りあった26.6.18-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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