手紙を待っていた時代が懐かしい
相手の心なのに
その中身を想像して膨らませた
画一的な文字の羅列でなくて
相手の心が
文字の中に浮かび上がってくる
手書きの便箋に踊った左の胸
あなたの流れるように美しい
万年筆で書いた文字たちは
その言葉以上に
僕の心を揺さぶった
あれだけ待ち続けていて
しっかり受け止めることができたのに
返せない僕がもどかしかった
ガリ版切りのような尖った文字が
僕の想いを遮断した
目を見ればわかるよ
そんな言い訳が
僕の心の中を駆けずり回った
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わたなべあきお | - | -