トンボつり
宍道湖とは逆の山手の方に、小さな集落があった。
そこに同級生がいて、夏休みにはよく遊びに行った。
小川では、メダカやアメリカザリガニを捕り、田圃の畦道ではトンボ釣りをした。
狙いはもちろんオニヤンマで、ふつうのトンボを細い糸にくくって、
笹竹を振ってオニヤンマを待った。
上手く後ろに飛んで来たら、ゆっくりと地面に向かって旋回させた。
降りたところで素早くタモを被せて成功!
林の中では、セミ捕りをした。
僕は透明な羽のクマゼミが好きで、けっこう根気よく探し回った。
アブラゼミやニーニーゼミ(?)にはまったく興味がなかった。
あれは何年生の夏休みの終わりだっただろうか?
その友達が、垂れ下がった電線に触れて感電死したという報に接したのは・・・。
その事件以後、僕はその集落には行かなくなった。