落し物

運転中、携帯が鳴ったので歩道側に寄せて停車した。
ふと前を見ると、財布らしきものが落ちているのが目に入った。
話が終わって外に出て見ると、確かに財布だった。その横には数枚のカードが・・・。
今風のというのか、とても分厚くて、ぱっと見でもカードが二十枚以上はあると見えた。
場所からして多分S大生かな・・・と直感した。バイク通学で後ろポケットに無造作に差しこまれた光景をよく見かけるからだった。

近くの交番が留守だったので、ちょっと走って北警察に届けた。
事務的と言えばそれまでなのだが、拾った場所と連絡先と名前だけ書いて、ややこしそうな権利とやらは放棄して出た。
現金や目ぼしいものだけ抜き取って捨てられたものだったらどうしよう?なんて考えたりした。
よく聞く話だから・・・。いいことをした気持ち(当たり前のことだけど)と、もやもやとした気持ちが半分半分だった。

二時間後、見慣れない番号から電話がかかってきた。
予想通り若い男の声だった。「財布〜届けていただいてありがとうございました。助かりました。」
思わず聞き返した。「中身〜大丈夫だったですか?」
「はい、ありがとうございました。」
それはよかった!さっきまでの半分半分だった気持ちが丸くなった。

それにしても・・・クレジットやポイントや・・・この世はカード時代なんだなと、つくづく思った。カードの数が尋常ではなかったからだ。
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posted by わたなべあきお | - | -

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