建設

生産をしている人はほんのわずかで、あとは遊んでいる人の時代が来る。

女の人には、お嫁に行って子供を産んで育てるといった、いわば永遠の仕事がありますが、男の人の中には、どうやって世の中を過ごせばいいのか、わからなくなっている人がかなりいるのではないでしょうか。

そういう世の中になりつつあり、しかも若い人には覚悟がないようです。自分が何をするのか覚悟がないうちに、世の中の方は動いていく。とりとめのない若さを持ったまま、とりとめなく生きていく。

そういう青年たちが出てくる社会は、かつてわれわれが経験した社会ではありません。これからの社会は、ほんの少数の優れた人たちだけがつくりあげていく社会になっていく恐れがあるようです。

おまえたちは大きくなると大変な時代を迎えることになるぞ。おれたちはおれたちなりの不幸があったけれど、おまえたちはおれたちが経験しなかった苦労をするだろう。そういう時代におまえたちは生きていく。

われわれが思っているような、社会はこうだ、経済はこうだという感覚は、全部通用しなくなった。これからはもっと通用しなくなるだろう。
 

精魂込めて自分を建設しろ。ビルを建設するように自分を建設する以外に、生きていく道はない。

(「司馬遼太郎が語る日本」〜もう30年前の言葉だ。言い当てているな。)

24.8.18-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

▲page top