二人の自分

あれだけお父さんを憎んだということは

それだけ、あなたはお父さんが好きだったのでしょう

あれだけお父さんに反発したということは

それだけ、あなたはお父さんに認めて欲しかったのでしょう


授業の合間に教室を抜け出して、グランドを真っ二つに歩いて

校門を出て行くあなたを、僕は教室の窓辺で羨ましく見つめていた


何が原因だったのかを知ったのは

ずいぶんと時を経てからのことでした


僕の異変にも、あなたは感付いていたはずです

同類でしたからね

二人にしか分かりあえない異変の代物

反比例 捻れの位置

授業の文字列が抽象用語に性格を変える


環境は恐ろしく人間の心に入り込み蝕む


あなたも一緒のはずだ

ひとりで二人の自分を生きている


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posted by わたなべあきお | - | -

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