何度も読んでみると、
身体の奥に、詩の一節が
染み込むように入る時がある
私は若い頃、教師にこう教わった。
「良い本、良い小説は、一度読み終えてから、十年後、二十年後に読んでみると、
初めて読んだ時には発見できなかったものを見つけることができる」
人が生涯で何度か読んだ小説は、やはり良い小説なのだろう。
詩集などはその典型で、何度も読んでみると、ある時、身体の奥に、
詩の一節が染み込むように入る時がある。
それは友人との再会に似て、人も書も、接する側の成長によって見え方、
読み方が違うからかもしれない。
【伊集院 静】
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まさにそれを実体験してる。もうあの本は読んだ…と、本棚で埃を被った本たちを
引っ張り出して、読み直している。するとたしかに
「あれ、この本こんな内容だったっけ」となることのなんと多いことか。
いいも悪いも、楽しみも苦しみも、経験が心を感性を成長させているのだろう。
百科事典に、本棚のスペースを占領させておいてはいけない。