僕がまだ二十歳すぎのころ…
ある親世代のひとの質問に答えた記憶がある。
「信じていたひとに裏切られた…あんな人とは思わなかった…」
その言葉に僕は…
「こうして見る満月は、とても綺麗で神々しささえ覚えるけれど、
超拡大望遠鏡で見る月は、ゴツゴツとした粗肌で、美しさの欠片もない。
人間も同じじゃないですか?」
よくもあんなことが言えたものだと今更ながら恐縮する自分がいる。
頭でっかちな学者ぶった若僧だった。
しかし、しかし、…
あの言葉を口に出来たのは、もうあの二十歳すぎの時、僕は、
世の中の…人の心の…何たるかを達観していたのかも知れない。
叔父の言葉~「おまえは世捨て人みたいな奴やな」が甦る。